『馬は知っていたか』木村幸治



(よし、折合いはついている。どうせどの馬かがやってくるはずだ。どの馬にしろ並んでからが勝負さ。差し返してやる!)
もがきながらキネーン騎手とモンジューが来た。並んだ。蛯名はこのときとばかりエルコンドルを追った。キネーンと蛯名の壮烈な叩き合いになった。エルコンドルが差し返した。しかし、最後で半馬身だけモンジューが前に出た。そこがゴールだった。
(『馬は知っていたか』「二番手の宿命を超えて」より)



以前紹介した『馬は誰のために走るか』の著者木村幸治の本『馬は知っていたか―スペシャルウィーク・エルコンドル…手綱に込められた「奇跡」の秘密』。

その第二章「二番手の宿命を超えて―蛯名正義とエルコンドルパサーの戦い」には、蛯名騎手が騎手を目指すようになった小学生の頃から、騎手としてデビューを果たし、バブルガムフェローで天皇賞・秋を制し、平成十年には年間136勝をあげて関東リーディングに輝き、その翌年平成十一年にエルコンドルパサーとのコンビで凱旋門賞に挑戦するまでが、ギュッとコンパクトにまとめてあります。

他に「「桃姫」と華奢な仔馬―乳母に育てられたスペシャルウィークの恩返し」、「君は誰のために走ったのか―種牡馬二年で「爆死」したナリタブライアン」、「口約束に賭けた人生―レガシーワールドを送り出した弊旗力の信念」、「「父の悲劇」が育てた少年―なぜ、福永祐一は騎手を志したのか」、「競馬を趣味にしたトップ調教師―なぜ、藤澤厩舎の馬は、かくも走るのか」、「テンポイントの騎手ですから―一頭の馬が変えた鹿戸明の人生」、「童に戻った神様―競馬評論四〇年、大川慶次郎の生涯」の全八章からなる。

馬は知っていたか―スペシャルウィーク・エルコンドル…手綱に込められた「奇跡」の秘密 (祥伝社黄金文庫)馬は知っていたか―スペシャルウィーク・エルコンドル…手綱に込められた「奇跡」の秘密 (祥伝社黄金文庫)
木村 幸治

祥伝社
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競馬のノンフィクションを読むが好きなので、こういう本があるとつい読んでみたくなるのです。ちなみにこの文庫は出版された年(2000年)に購入しました。『馬は誰のために走るか』の感想にも書きましたが、私は、この著者の熱い語り口がやや苦手。あと、もう少し内容が濃いといいかなぁ。でも、一章、一章が短いので、これは仕方ないか。
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